日本ロレアル本社オフィス 「LEED GOLD®認証」を取得

09.03.2023 - Brands

世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)の日本法人である日本ロレアル株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジャン-ピエール・シャリトン)は、2022年10月3日にリニューアルオープンした新宿本社オフィス「ビューティーバレー」が、国際的なグリーンビルディング認証制度である「LEED GOLD®」認証を取得したことを発表します。

LEED®(Leadership in Energy & Environmental Design)とは、非営利団体・米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運営する建築の環境性能評価制度です。すべての建物の上位25%に認証を付与するよう高い基準で設計された国際評価システムで、人と環境に対する安全性や、廃棄物削減・水保全・再生エネルギー活用など地球環境などに配慮した建築物であることを証明するものです。日本ロレアルでは5つの認証システムのうち「ID+C(Interior Design and Construction)v4」において「LEED GOLD®」認証を取得しました。2022年のID+C v4申請案件のうちゴールド認証を取得したのは、わずか360件(総申請件数の30%)です。

「世界をつき動かすような美の創造」をパーパス(存在意義)に掲げるロレアルが目指すのは、売上など経済的な成長と環境・社会貢献といった非財務面での卓越を両立させることです。その実践には、社員・ステークホルダーをはじめ人が重要であると考え、創業当時より「人財=ひと」主導の企業文化を推進してきました。今回の取得における評価点(下記)にもその当社の姿勢が反映されています。

 

  1. 人の安全性・健康・ウェルビーイングへの配慮
    新型コロナウイルス感染症対策をはじめとするロレアルのオフィス環境は、グローバルで規定された基準に則っており、定期的な外部監査を受けることで、高水準を維持しています。調光可能なLEDの配置や眺望の確保など、社員のウェルビーイングにも配慮。
    [オフィスでの主な評価点]
    ・ ビル空調によりASHRAE 62.1-2010基準の1.3倍以上の換気量となっており、室内空気環境の維持に寄与
    ・ 施工中の室内空気環境対策計画と実施により、作業員の健康に配慮した環境で工事を実施
    ・ 背の高い什器を配置しないことで、眺望を確保
    時間帯によって照度が変わる自動調光システム導入により、照明効率向上に寄与

  2. 地球環境への配慮
    ロレアルは2030年までに、全世界の事業拠点で発生する廃棄物の100%をリサイクルまたは再利用する目標を掲げています。製品における消費水の量の削減や、生産工程におけるウォーターループなど水資源の保全にも積極的に取り組んでいます。
    [オフィスでの主な評価点]
    ・ 専有部内天井・床・壁の59.67%を再利用し建設資材・廃棄物の削減に寄与
    ・ 建設工事廃棄物の再利用率76.46%を達成し、廃棄物削減に寄与
    ・ ビルの高い中水利用率と節水型のキッチン水栓の採用により、水使用量をLEED®基準より50.47%削減
    ・ Energy Star認証同等性能の食洗器と製氷機を採用し、省エネルギー・節水に寄与

  3. 入居ビルオーナー(東京ガス不動産株式会社)との連携
    ロレアルがサステナビリティ推進の重要な柱としているのが外部ステークホルダーを巻き込んだエコシステムの形成です。
    [オフィスでの評価点]
    ・ 東京ガス不動産株式会社の協力で、ビル(新宿パークタワー)に後付け複層ガラスを導入。空調負荷を軽減
    ・ 東京ガスファシリティサービス株式会社の協力により、ロレアルテナント内カフェで発生する生ごみのバイオガス化リサイクルを実現
    ・ 東京ガスファシリティサービス株式会社の協力により、窓のロールスクリーンを毎朝全開放することにより自然光を取り入れ、室内の明るさを維持

 

ロレアルグループで世界初。廃棄予定の自社製品4,400個を先駆的にアップサイクルし建材として再利用

今回LEED®「ゴールド認証」を取得した日本ロレアル新宿オフィス「ビューティ―バレー」は、約4,400個の自社製品が建材としてアップサイクルされています。世界150カ国でビジネスを展開するロレアルグループ内でも世界初の取り組みです。

廃棄物削減は、日本ロレアルの重点課題のひとつで、2030年までの廃棄ゼロを達成するため、美容部員の制服のアップサイクルや、米・テラサイクル社との包括的パートナーシップとの連携など、日本独自のさまざまな施策を展開。今回の建材のアップサイクルは、廃棄物管理の問題に取り組む社員の情熱と、日本の職人技術の融合によって実現しました。

日本ロレアル ヴァイスプレジデント オペレーション本部長の山本 也寸志は次の通りコメントしています。「本社オフィスのリニューアルコンセプトのひとつが、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進でした。例えば、以前のオフィスで使用していた家具も3,800個をリユースしました。それならば、廃棄予定の自社製品も新しい形で新オフィスに取り入れることはできないか?という発想から、各社の協力を得て開発したのが自社製品を活用したアップサイクル建材マテリアルです。ビューティーバレーには、ロレアルが日本という国に抱く敬意を表すため、日本の伝統的な職人技を細部にまで取り入れています。化粧品の建材へのアップサイクルは、大量生産型の工場では難しく、当社の想いに賛同して下さったサプライヤー各社や職人の皆さまの協力と高い技術力により初めて実現できた試みです。日本の高い技術力があってこそのイノベーションと、ロレアルグループのグローバルネットワークでも高い評価を得ています。今後はこのアップサイクル建材への活用に、自社製品を他社様に提供していくことも検討しています。さまざまなステークホルダーを巻き込み、循環型経済の実現により一層まい進して参ります」

<日本ロレアルオフィス「ビューティーバレー」自社製品アップサイクル事例(一部)>

  • アイシャドウの顔料をランプシェード塗料として再利用(色で日本の四季・春夏秋冬を表現)
    leed 01
  • ファンデーションをタイルに焼成。ティースポットのタイル壁に
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  • リキッドルージュの顔料を壁塗料としてアップサイクル
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  • 粉砕されたヘアオイルのガラス容器は、テラゾー骨材としてカフェのタイルに刷新
    leed 04

 

世界で最も広く使われているグリーンビルディング認証制度であるLEEDを通じて、建物の設計、建設、運営方法を変革することに取り組む団体です。現在12万棟を超えるビルが参加しています。USGBCのビジョンは、建物とコミュニティが一世代以内にすべての生命の健康と活力を再生し維持することです。その使命は、建物とコミュニティの設計、建設、運営方法を変革し、環境的、社会的に責任ある、健康で豊かな環境を実現し、生活の質を向上させることです。2000年の設立以来、LEEDの指標に基づくシステムは、ヘルシーで回復力のあるグリーンビルティングの基準を定めています。2022年、USGBCは全世界で10万件のLEED認証プロジェクトを認定し、認証したビル面積の総計は110億平方フィート以上にのぼります。 https://www.usgbc.org/

 

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