- ロレアル-ユネスコ女性科学賞 -

1998年にユネスコとの共同で創設され、科学の発展に寄与した業績を称え、
毎年世界5大陸から5名の女性科学者を選出し、
賞状ならびに賞金10万USドル(約1,000万円)を贈呈しています。

受賞分野は、隔年で生命科学、物理科学で実施されており、
ノーベル賞受賞者を含む世界の科学界の権威で構成される国際選考委員会により受賞者を選出しています。

日本人受賞者を含め第一線で活躍している女性科学者が受賞しており、
2008年の米国受賞者であるエリザベス・ブラックバーンと、欧州受賞者であるアダ・ヨナットが、
それぞれ2009年ノーベル医学・生理学賞およびノーベル化学賞を受賞するという快挙を遂げています。

日本人受賞者

報道資料

2021年|化学
野崎 京子 のざき きょうこ
東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻教授
日本化学会理事

有機合成化学分野へ先駆的かつ創造的貢献と、産業革新にとっての研究成果の重要性を示した。この研究成果は、医学や持続可能な農業に有用な分子を大量生産するための、斬新で効率的で環境にやさしいプロセスの開発につながった。

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2019年|物質科学
川合 眞紀 かわい まき
2022年4月~ 自然科学研究機構 機構長  
自然科学研究機構分子科学研究所 所長(受賞時)
東京大学名誉教授
日本化学会会長

原子レベルで分子の操作・制御および、化学反応を引き起こす手法を見出し、新しい化学、物理学的現象の発見へとつながるナノテクノロジーの基盤の確立に貢献した。この研究成果は、環境への被害を与える化学物質の改善やエネルギー効率の高い革新的な素材の開発など、環境問題の解決につながると期待されている。
2014年|生命科学
稲葉 カヨ いなば かよ
京都大学副学長 京都大学女性研究者支援センター長
京都大学大学院生命科学研究科教授

体内に侵入してきたバクテリア、ウイルスやがん細胞などの異常細胞の脅威から体を守る免疫システムにおける樹状細胞の重要な役割を解明し、樹状細胞を体の外で処理し、再び体内に投与することによって免疫反応を促すことができることを初めて実証した。この研究成果は、細胞療法に大きな進展をもたらし、新たな抗がん 治療の確立にもつながる多大な貢献を成し遂げた。
2013年|物理科学
黒田 玲子 くろだ れいこ
東京理科大学総合研究機構教授
東京大学名誉教授

分子構造の左右性の違いが自然界に広く現れる左右性(キラリティー)現象に重要であることを明らかにし、アルツハイマーなどの神経変性疾患研究など幅広い応用研究にもつなげる多大な貢献を成し遂げた。

2009年|物理科学
小林 昭子 こばやし あきこ
日本大学文理学部化学科教授
東京大学名誉教授

世界で初めて、単一分子性金属の設計と合成に成功し、分子性伝導体の開発研究に貢献。

2005年|物質科学
米沢 富美子 よねざわ ふみこ
慶応大学名誉教授

アモルファス半導体および液体金属の先駆的理論とコンピューター・シミュレーションによる解明に貢献。

2000年|生命科学
岡崎 恒子 おかざき つねこ
名古屋大学名誉教授(受賞時)

日本の分子生物学の草分け的存在でDNAの不連続複製「岡崎フラグメント」で知られる。DNAの複製メカニズムと染色体の分配機構に関する貴重な研究成果を挙げた。

For Women In Science グローバルで展開する女性科学者支援

フランスに拠点を置くロレアル財団が展開する「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」、「ロレアル-ユネスコ女性科学賞 国際新人賞」と日本ロレアルが展開する「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を通して世界中の女性科学者を支援しています。